価値観を変えた3つのまち
- うらのりょうた

- 10月12日
- 読了時間: 4分
「海外」という表現は島国・日本らしい独自の感覚による言葉です。「海外に行ったら価値観が変わるよ」。よく聞くセリフですが、多様な文化や歴史に恵まれた日本には、海外に行かずとも、価値観を変えるほどの素晴らしい出会いがたくさん待っています。
今回は、1718全市町村を巡った私の価値観が変わった3つのまちをご紹介します。
宮城県仙台市
子どもの頃の私にとって、東北は未知のエリア。初めて東北に足を運んだのは成人してからです。訪れるまでは「深い山に覆われて、小さな集落がポツポツと点在している」というイメージでしたが、全く人が住んでいないエリアはほぼありません。特に、各県の県庁所在地は活気にあふれています。仙台市は人口100万人を超え、ビル群は東京をほう咈とさせるほど。東北に大都市が点在している、しかも人口が100万人を超える都市があると知った時は自分のあまりの無知さにハッとさせられました。
また、東北を縦断する奥羽山脈の影響もあって、太平洋側はほとんど雪が降らないということや、日本海側は暑い夏が続くなど新たな発見もありました。

東京都小笠原村
日本にはいくつの島があるかご存知ですか。100?1000?いえいえ、日本の島の数は14125島。2023年までは6852島とされていましたが、測量技術の進歩で倍増しました。これを見てもまだまだ日本という島国の実像が知られていないことがわかります。
人口100人未満の島が90%以上を占める中、人口1万人以上の離島もたくさんあります。人口1万人を超える離島は24時間営業のコンビニがあったり、ファミレスやファストフードがあったり、家電量販店やショッピングモールがあったり、交通量が多かったりと本土と変わらぬ景色に驚かされます。
広島県大崎上島(大崎上島町)のように1日に70便以上の定期航路の往来がある離島もあれば、東京都父島(小笠原村)のように6日に1往復という航路もあります。所要時間は片道24時間、船での2泊も含めると強制的に5泊6日の長旅となります。
東京都心から約1000㌔、グアムやサイパンに行くより遠い秘境。
独自の食文化の中で最も驚かされるのが「ウミガメ」。「かわいそうだ」、「食べてもいいものなのか」。最初はそう思いました。罪悪感すら感じました。でも、食べていいもの、いけないものは人が勝手に線引きしているだけ。海洋島に住む人にとってウミガメは重要なタンパク源。
大切なのは感謝の気持ちだと気付かされます。久々に心から「いただきます」と言えた気がしました。大人になって、いつの間にか「いただきます」をないがしろにしていたかもしれません。島民はウミガメに感謝を持って甲羅以外は内蔵も含めて無駄なく食べます。
保護にも力を入れており、獲れるのは年間135頭と制限され、漁師は3人のみ。
あと、すごいのが盛大に見送ってくれる島民の方々。島に残る者、島を出る者。抱きしめ合い、熱い握手を交わし、涙を流す人、人、人。小笠原太鼓のパフォーマンス、海に惜別のダイビングをする若者たち、おがさわら丸を名残惜しそうに追いかける無数の船、おがさわら丸を猛スピードで追い抜きながら手を振る海上保安庁の船。感動の波が押し寄せてきます。
そして、小笠原村を訪れた後は「台風逸れろ!」と思わないようになりました。逸れたら小笠原村に直撃してしまうからです。

熊本県阿蘇市
阿蘇山(阿蘇五岳)の火山活動によって生まれた凹地「阿蘇カルデラ」で暮らしを営む阿蘇市(あそし)。噴火の威力は火砕流が九州を飲み込み、火山灰が北海道まで到達するほど凄まじかったそうです。カルデラは東西18㌔、南北25㌔にも及び、世界トップクラスの規模。カルデラ内には鉄道や国道が通るなどインフラ整備も行き届き、約5万人が生活しています。このように、人と火山が共生する都市は世界に類を見ません。
阿蘇市に広がる特徴的な草原は、野焼きによって平安時代から1000年以上にわたって守られてきた光景です。草は牛馬の飼料、農業の緑肥、茅葺き屋根などに用いられ、阿蘇の人々の生活と切っても切れない存在。人の手が入らなければ、草原はたちまち雑木林になってしまいます。





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